記帳代行とは?②「会計事務所の実務:その2」

会計事務所
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前回「記帳代行とは?①」に続き、記帳代行について書いていきたいと思います。

記帳代行業務を、会計事務所側が内部でどのように捉えているかは様々だと思いますが、
主に下記のような捉え方があるように思います。
①業界初心者が、担当先を持つまでの初段階の業務として行う。
②担当先を持てるようになったら入力業務は行わず、
 その後は入力専門の方(担当先は持たない内勤の方)が行う。
③①②の間を取り、顧問先担当者は一部は自分で行い、一部は入力担当者が行う。
④顧問先担当者が、入力業務から全てを一貫して行う。

一般的には、業界初心者は最初は主に内勤で入力業務をひたすら行い、顧問先対応は担当者の外回りなどについて行って経験を積み、1件2件と担当数が増えるにつき、入力業務は減っていくようなケースが多いように思います。
最近は業界でも分業が進んでいて、入力業務はほとんどわからない状態でも、担当者としてのお客様対応の能力をいきなり教育していくようなところもあるようです。古典的な経験で育ってきた私には、なかなか凄いなと刺激を受けます(^-^;

具体的な入力業務の流れについてですが、
「月次資料を預かる」→「入力する」→「チェックする」→「月次試算表の完成」
といったところです。
まずは記帳代行をするにあたってのお客様への対応という視点で、
一つずつ確認していきます。

「月次資料を預かる」
会計事務所のサービスも様々ですが、
「毎月打ち合わせをする契約」の場合を前提に書いていきます。
この打ち合わせには月次試算表が必要になりますので、
1か月分を毎月入力することになります。

まず顧問先担当者は、お客様に「入力に関係のある資料」(=月次資料)を、
毎月ご用意頂くよう説明をし、用意してもらいます。
ここで、ポイントが2つあります。
・月次資料をご用意頂く重要性をお客様に理解して頂く。
・月次資料を用意してもらう前段の資料整理を、顧問先担当者がしっかり指導する。

まず、月次資料の重要性についてですが、これをお客様に理解して頂かないと、資料がなかなか集まらずに苦労します(特に決算。)。また、資料がなかなか集まらない状態が数か月続くと、極端ですが次のようなことが起きます。
社長(から突然)「銀行に提出するから直近の試算表が欲しい」
担当者「不足資料が多くてまとまっていないからすぐには出せない」
社長「不足資料なんて聞いていない。融資が受けられなかったらそちらのせいだ。」
これであっけなく顧問契約が解除になったりします。

経営をしていく上で、数字はかなり重要ですよね。
お客様側もそれは十分認識していると思うのですが、会計事務所の観点から改めてしっかり説明することが必要だと思います。
例えば、「我々は、数字という観点から社長の経営判断のお役に立てるようサポートしていきたい。過去の数字は早く正確に仕上げて、将来にかけてどのような戦略を打っていくかの判断材料にして頂き、一緒に考えていきたい。なのでお願いした資料は期日までにしっかり揃えて頂きたい。これを行って頂かないと我々も本来のサービスを提供できず、心苦しい。」
ちょっと熱っぽく、これぐらいのことを言った方が良いかもしれません。
特に若い経営者や、独立して会社を始めたばかりの方には、ぜひ話してみて頂きたいです。

ただ、これを語るにも、何をどのように揃えてもらったら良いかわからなければ、
説明のしようがないですよね(*’▽’)

次に月次資料の整理の仕方の、お客様への指導方法です。
業種によって少し違いはありますが、具体的には下記が必要な月次資料になります。
①売掛帳(と請求書控え)
②買掛帳(と請求書)
③現金出納帳
④預金通帳のコピー
⑤立替経費精算書
⑥クレジットカード利用明細
⑦給与データ(支給控除一覧)
⑧その他の支払明細
⑨その月に交わした契約書のコピー

だいたいこんなところでしょうか。
それぞれまたポイントがあるのですが、今回も長くなってきたので、
続きは次回「記帳代行とは?③」に回したいと思います。

今回もご覧頂きありがとうございました。





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