会計事務所が給与計算!?・・・「会計事務所の実務:その9」

会計事務所
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会計事務所なのに・・・

今回は会計事務所の実務のうち、給与計算を含めた労務の業務について書いていきたいと思います。具体的な計算方法や手続きはまたの機会にということで、今回は概要的な感じで書いていきます。

初心者の方は「え?労務?会計事務所が?」と思う方もいらっしゃると思います。私もそう思います(^-^; 労務といえば、社会保険労務士という立派な資格があり、本当はそちらの分野になります。ところが、中小企業の成り立ちを思い返すと、設立時は社員も少なく、労務の問題もあまり起きないことから、最初から社労士と契約することは少なく、比較的必須のパートナーである税理士が、労務の業務を兼務することが結構あります。その後、規模が大きくなり、社員数も増えてくると会計事務所では請負いきれなくなり、社労士を入れてもらう、といった流れが多いように思います。

労務を請け負うことのデメリット(^-^;

私の勤めている会計事務所でも、比較的規模の小さいお客様や、開業したばかりのお客様については、労務のお手伝いをさせてもらっています。厳密にいうと会計事務所で労務を請け負うことは法的に問題なような気もしており、顧問契約書には労務のことは明記していないのですが・・・。お客様との付き合いや、顧問契約の維持・拡大のために、請け負う理由もわかるのですが、私は労務業務がものすごく嫌いでして、嫌いな理由を下記に書いていきたいと思います(^-^;
・毎月支払いまでの期限があり、精神的にきつい。
・計算を間違うと従業員からクレームが起き、社長の信頼を簡単に失う。
・タイムカードの集計など、業務が細かい。
・時給単価や交通費など、正確に情報が上がってこない。
・資料に必ずといっていいほど漏れがあり、1度はやり取りをしないといけない。
・神経を使う割に間違えないことが当たり前の雰囲気があり、全く評価(感謝)されない。
・今のご時世、入退社が多く、そのつどの手続きが面倒。
・専門的な知識がないため、調べものに追われる。
・従業員側に知識がある場合が多く、やりづらい。

言い出すときりがないのですが(^-^; 本当に面倒です(*´Д`)
上にも書きましたが、お客様に大変さがわかりづらい業務のせいか、感謝されることがほぼなく、請け負った場合の報酬単価もそこまで高く頂けないのも現実としてあります( 一一) ただ、そもそも会計事務所側の人間の労務のレベルが低いので、強く言えないからなのですが・・・。

労務業務の社会的地位の向上を!

ただ、最近は「働き方改革」などとうたって、労務の問題が大きく取り上げられてますよね。残業などの法改正もあり、かなり身近な論点になってきています。残業代や有給休暇で従業員ともめることもしばしばです。ですので、従業員を雇うことになった時点で、就業規則をはじめとした労務の整備が必須になってきていると感じますし、これを片手間で会計事務所が請け負ってはいけない時代になってきていると思います。私も嫌いな業務ではあるのですが、実際、お客様の労務に対する要望も増えてきているのが現状です。であれば、しっかり取り組んで、きちんと価値のある業務であることをお客様に認識してもらい、それなりの報酬を頂いていくべきだと、思うようになってきました(^-^; 
社労士さんとも顧問契約を結ぶことが当たり前の世の中になって、我々も業務がしやすくなる、そんな時代がくるといいなと思います。ぜひ、社会保険労務士会の皆様で、労務の重要性や必要性をもっと訴えて頂ければと思います(^-^;

【参考文献】
岡崎淳一『ビジュアル働き方改革』(日本経済新聞出版社)

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