【続報】新型コロナウイルスと会計事務所の業務

会計事務所
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緊急事態宣言が発令・・・

新型コロナウイルスの影響で、4月7日に7都府県に対して、緊急事態宣言が発令されました。とはいえ、生活が急変する訳ではないのかなと思っていたのですが、私は今日も変わらずに出社をしてみると、電車の乗客数はこれまでよりもやや減っている感じがして、駅ビルのモールや百貨店、それに街中のカフェまでが閉店していました・・・。自粛モードが一段と進んだ感じがしました。私が勤めている会計事務所はどうかというと、電車通勤のリスクを考慮して、定時が30分早くなりましたが、基本的には通常勤務をしています・・・(*´Д`) というのも、今は普段よりも業務が増えていて、忙しくなってきているからです・・・。
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理由その①・・・融資の相談

事業者に対して、国からの経済支援策が続々と出てきますが、会計事務所では、顧問先から、その手続きのサポートを依頼されます。
そのうちの一つが、融資を受けるためのサポートです。一連の手続きを経営者の方が1人行ってしまうケースもあるのですが、一部の資料を会計事務所で作成したり、経験の浅い経営者の方などは、ゼロから会計事務所がサポートして申請したりします。今、この依頼が頻発しています(*´Д`) 
融資の申し込みをする先は、基本的には日本政策金融公庫か、銀行や信金(保証協会付き)になります。会計事務所には(はっきりとは決まっていないのですが)、日本政策金融公庫や各銀行に、その会計事務所の担当者のような方が存在します。融資を受けたいという会社があった場合、我々会計事務所の担当者は、その担当者にまずは相談する、といった流れになります。ですので、比較的スムーズにやり取りができるのですが、今、日本政策金融公庫とのやり取りでは、この関係が崩れています(*´Д`) やはり、申し込みが殺到していて、担当者など関係なく、書類が届いたものから一律に順番に対応してく措置を取っているそうです。公庫の方は、書類が届いてから1週間以内に申込者に連絡をするようにがんばっていると言っていました・・・。
さらに銀行の担当者は、2日に1日は自宅待機になったり、4月13日(月)からは出社が制限されるとか言っていました・・・。仕方がないことだと思うのですが、事業者がひっ迫しているこの時期に、受け皿が自粛してしまい・・・、どの程度のスピードで実行されるのか、心配です・・・。

ちなみに今日、ある社長から聞いた話ですが、その社長の知り合いが、日本政策金融公庫へ融資の相談を、支店へ直接持ち込んだそうですが、なんと5時間待ちだったそうです(;゚Д゚) 心身共に弱りながら混雑の中・・・、新型コロナウイルスに感染してしまいそうですよね・・・。

理由その②・・・雇用調整助成金の相談

今、忙しい理由の一つですが、雇用調整助成金の相談です。雇用調整助成金とは、簡単にいうと、事業者の都合(今回の新型コロナウイルスの影響も含みます)で従業員を休ませた場合、事業者はその従業員に平均賃金(イメージは過去3か月の平均)の60%の休業手当を支払わなければなりません。その上で、その「事業主の都合」が売上の減少(前年同月比5%以上減少)である場合、その支払った休業手当について、中小企業の場合は4/5(最大9/10)を、国から助成するというものです。これは厚生労働省の助成金で、分野としては労務の分野になります。
実際、売上が減って仕事がない上に、従業員の給料をいつも通り支払わないといけないのはきついですよね。であれば、従業員の出社をおさえて、その分の給料も減らしてコストを下げたいと思うのは、経営者であれば自然に考えると思います。この助成金が受けられるかどうか、我々会計事務所の担当者に相談が入ります。

私もそうなのですが、会計事務所の担当者は、労務が非常に苦手なことが多いです(*´Д`) 中小企業の多くは、専門家である社会保険労務士と顧問契約しているケースはまだ少なく、比較的必須である会計事務所の担当者が、労務の相談を受けることが多々あります。
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ただ、残念ながら日頃の情報の蓄積やノウハウがないので、例えば、この「雇用調整助成金」とはどのようなものか、を調べるところから始まって、各顧問先に一定の回答をするまでに、結構な時間を要します(*´Д`) 
税理士と社労士を併設している事務所もありますが、私の勤めている会計事務所はそうなっておりませんで、我々で行える業務範囲を超えてきた場合は、提携している社労士事務所へ依頼をすることになります。ただ、ゼロの状態で社労士先生へ仕事を振ってしまうのも申し訳ないので、入り口部分は自分で調べて各顧問先に対応していると、かなり時間がかかってしまいます(*´Д`) 
助成金業務は専門性が高いので、最終的に提携先へ依頼すれば済むのですが、現在、社労士事務所もこの「雇用調整助成金」の対応などでパンクしかけていて、受け入れが厳しい状況に陥っています(*´Д`) 対応としては、顧問先にある程度情報を提供して、個別に申請をお願いするしかないようにも思います・・・。
労務って本当に苦手です・・・。先ほどの「平均賃金」について調べてみたのですが、これを算定することすら時間がかかりそうで間違えそうです・・・。

ちなみにこの雇用調整助成金ですが、休ませた従業員の平均賃金の60%の休業手当を支払うことが大前提となります。労働基準法でそう定められていますので、義務なのですが、もはやこの60%の休業手当を支払える体力が、中小企業にあるのかどうかが問題かなと思います。助成金はあとからもらうので、休業手当の支払いが先になります。すでに厳しいところが多いと思うので、先に助成される仕組みとか、従業員側で申請して直接もらう仕組みとか、難しいのはわかるのですが、どうにかならないかなと思います・・・。

会計事務所業界の希望の光

やや暗い話題が続いたので、最後に業界としての良いところを考えたいと思います。
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現在、そんなこんなで忙しい日々を過ごしています。というのも、仕事があり、売上である顧問料が維持できているからです。世の中、新型コロナウイルスの影響で仕事が減ってしまって、困窮している方がたくさんいらっしゃいますが、我々の業界は今のところそのような状況にはなっていません。会計事務所の業界は、世の中の景気が良くなってもそんなに売上は変わりませんが、逆に不景気になったとしても、極端に売上が下がることはありません(今後はまだ分かりませんが・・・。)まあ、良くも悪くも安定はしています。自粛モードですので、テレワークなどを駆使しながら、業務を続けていかなければなりません。大変ですが、売上が無くなってしまうよりは全然良いと思います。頼って頂いている経営者の方々に貢献したい気持ちもありますし、これを乗り切ったら、また強い信頼関係が、社長たちと築ける気もします。それに日本全体でこの難題を乗り切っていこうという中、経済を足元で支える中小企業の方々を、密接にサポートする仕事しています。とってもやりがいのある、良い仕事だと思いませんか!?
・・・と言ってみたのも、この新型コロナウイルスの前は、比較的好景気だったので、人材採用の面に関して、会計事務所の業界は非常に不人気でした(^-^; 採用したくてもできずに、現場はなかなか大変な状況でした。景気が良いと、総合的に他業種の方が条件が良いのです。
ちょっと不謹慎かもしれませんが、これを機に、会計事務所の仕事に興味を持ってくれる若者が増えてくれると良いなという希望を持って、この難局を乗り切っていきたいと思います(^^)

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