【続報2】新型コロナウイルスと会計事務所の業務

会計事務所
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※この記事は2020年4月21日に書きました。

日々、融資と助成金のサポートを・・・

4月も下旬をむかえようとしています。来週にはゴールデンウイークに突入しますが、新型コロナウイルスの影響で、あまりワクワクする感じはないですよね(*´Д`) 私は会計事務所に勤めており、中小企業のお客様を、だいだい30件ほど担当しています。私には3人の部下がおり、それぞれ20件ほどを担当しています。ですので私の部署で90件ほどの中小企業を担当しているのですが、感触としては、ほぼ全件のお客様の融資と助成金の相談に対応し、全体の6割~7割ほどのお客様に対し、融資か助成金か、その両方ともを、作業としてサポートさせて頂いている状況になっています。ですので、こんなご時世ですが、我々の業界は、今とっても忙しいことになっています・・・。今回は以前の記事の【続報2】になります。
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【続報】新型コロナウイルスと会計事務所の業務

融資について

(1)日本政策金融公庫
融資についての最初の選択肢は、日本政策金融公庫かと思います。
日本政策金融公庫ホームページ
新型コロナウイルスに関する相談窓口のご案内

例えばですが、従業員数が20名以上の法人の場合で、前年同月比で売上高が20%減少していると、3000万円の範囲で、当初5年間は実質無利子での融資を始めています。申し込み書類をWEB上で入手し、郵送かそのままインターネットで申し込めます。すでに融資を受けている場合での追加申し込みの場合は、必要書類が少なくて済みますね。

(2)銀行経由で保証協会付きの融資+自治体の利子補給
次の選択肢としては、銀行経由で、「保証協会付きの融資+自治体の利子補給」で実質無利子の融資になります。
少し話が反れますが、保証協会付きの融資について少し説明します。創業して間もないころなど、中小企業が融資を受ける場合、公的機関である保証協会の保証がついた融資になることが多いです。これは、銀行がお金を貸す際に、相手がまだ信用のない中小企業の場合、貸倒れのリスクに備えるためです。もし貸した先の中小企業が借入金を返せなくなった場合、銀行は保証協会から借入金の残高の8割(場合によっては10割)を受け取ることができます。これを代位弁済と言います。保証協会付きの融資の場合は、銀行はほぼノーリスクになります。ちなみに代位弁済された場合、その中小企業は保証協会へ返済をしていくことになります。
このような制度で、中小企業がお金を借りやすくなっているのですが、保証協会付きの融資の場合、借りる中小企業は保証協会へ保証料を支払わなければなりません。融資を受けた際に、一括でまとめて支払うことになるのですが、ざっくりですが、1200万を5年返済で融資を受けた場合、41万円くらいの保証料になります(*´Д`) なかなかの金額ですよね・・・。
前置きが長くなりましたが、今回のコロナの件で、例えば東京都では、この保証料が全額補助(場合によっては2/3)されることになっています。こちらも、売上高が5%以上減少していることが基本的な要件ですね。
東京都信用保証協会ホームページ
東京都制度融資/新型コロナウイルス感染症対応緊急融資

これだけですと、こちらの融資は利息がかかってしまうのですが、これに加えて、各自治体で利子補給を行っています。例えば渋谷区では、融資額500万円までは、利子を全額補助してもらえます。こちらも要件としては、業種によって5%~20%の売上が減少していることになります。
渋谷区ホームページ
新型コロナウイルス感染症に伴う中小企業支援について


ただ、こちらは日本政策金融公庫と違って、手続きがやや面倒な感じがしますよね(*´Д`) すでに銀行からの融資を受けている会社であれば、その銀行の担当者が段取りをして、サポートしてくれることが多いので、私なんかは銀行の担当者と直接やり取りをして、動いてもらうことが多いです。銀行側からすると、一応は売上に繋がる話ですし。

日本政策金融公庫の融資も、保証協会付きの融資も、もし既存の借り入れがある場合は、それを今回の条件の良い融資に借り換えることができるようになることが見込まれています。今後の情報に注目ですね。

また、これらの補助制度に加えてですが、最近ある銀行マンから聞いた話ですと、5月から銀行独自で実質無利子となる融資を実施する予定があるとのことです。保証協会だけならまだしも、各自治体の認定も取らないといけないのは手間ですよね(*´Д`) 何とか銀行で一元手続きできる無利子融資を実施してほしいものです。

(3)医療機関向け融資
以前にもご紹介しましたが、医療機関向けの融資を実施している団体があります。
独立行政法人福祉医療機構(WAM)ホームページ
福祉医療機構の新型コロナウイルスに係る対応
電話をして聞いてみたのですが、基本的には前年同月比5%以上減少、患者数が前年同月より減少、診療時間の短縮を余儀なくされている、などを満たした場合、診療所の場合で、保証人ありの場合で、4000万円までを当初5年間は無利子で融資を受けられるそうです。保証人なしでも当初5年間を0.15%で貸してくれるので、破格の利率ですよね。日本政策金融公庫に比べると申込書類がやや多い印象ですが、医療機関は活用を検討したいですね。

助成金について

(1)雇用調整助成金
ニュースでもかなり目にするようになりましたよね。会社が従業員を休ませた場合に支払った休業手当に対する助成金です。手続きも簡素化されて、以前よりは活用がしやすくなりました。厚生労働省のホームページでも再三にわたって更新があり、最近は動画までアップされました(^-^;
厚生労働省ホームページ
雇用調整助成金


私もすでに事案として発生しつつあり、近々申請予定ですので、色々情報を得たいと思っています。ただ、以前も書きましたが、労務関連の業務は大変苦手です・・・。

(2)小学校休業等対応助成金
小学生以下の子どもがいる働いている親が、子どもが休校になったために仕事を休んだ場合に、会社が(温情で)その親である従業員に対し、特別有給休暇として賃金を支給した場合、その全額(上限8330円)を、国があとから会社に補助してくれるというものです。
厚生労働省ホームページ
小学校休業等対応助成金


こちらは雇用調整助成金に比べると、まだ手続きが簡単そうな気がします(^-^; 

ただ、どちらの助成金も、先に会社が支出をして、あとから助成を受けるという流れになりますので、資金繰り改善の即効性はないんですよね・・・。助成金とはそういうものなので仕方ないのですが、もどかしさを感じます・・・

その他の対策

(1)家賃交渉
固定費のうち、大きな割合を占めるのが人件費とテナントの賃料です。人件費は、休業手当→雇用調整助成金という方法か、減給、最終的には「解雇」も、やむを得ないと思いますが、何とか手を打てます。どうしても減らないのがテナントの賃料です。仮にいったん休業しても、その間の家賃は発生してしまいます。大家さんに、今の現状を踏まえて頂いて、家賃の減額や猶予をお願いしてみるもの1つの手だと思います。私の担当先の会社で実際に、利息なしで、3か月間の家賃支払いの猶予を合意できたところもありました。あとから払うことにはなるのですが、目先の資金を確保できるのは大きいことです。
といいつつも、私は不動産会社の担当もしておりまして、その会社は賃料収入が1つの柱となっています(*´Д`) 借主から要望があった場合、困ってしまいますよね・・・。大家さんとしては、物件を銀行借り入れで購入していることも多く、賃料収入から借入返済をします。もし銀行の返済が滞れば、今後の事業展開が難しくなってしまいます。
今日ニュースで、飲食店のオーナーたちが、賃料の猶予を受け入れてもらうるような法整備を訴えているのを見ましたが、不動産のオーナー側のケアも含めた法整備が必要になりますよね。
NHK WEB NEWS
飲食店経営者ら 賃料猶予に関する法律制定を提言 新型コロナ


(2)銀行の返済猶予
先ほど融資の話しをしましたが、申し込んだけど借りれなかった場合や、追加融資を受けたけど、また資金が足りなくなった場合などは、銀行の返済猶予を検討します。いわゆるリスケ(リスケジュール)ですね。いろいろ事情はあると思いますが、もし追加融資が受けられないとわかったら、すぐにリスケをした方が良いと思います。今は金融機関も理解があると思いますし、事業継続の意思があるのであれば、それに必要な人件費や家賃に資金を充てた方が得策です。正常に返済ができるようになるまで、追加融資は受けられなくなりますが、身の丈で経営していくのも1つの手だと思います。

毎日、いろいろな情報が飛び交っていて、追いかけるのがなかなか大変ですね・・・。10年以上この仕事を行っていますが、今の業務の雰囲気は、今まで経験をしたことがありません。来月は3月決算法人の申告期限で、会計事務所としてはまた1つの山場をむかえます。これも所得税と同じように、申告期限が延長してほしいな~と願うばかりです(^-^;

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